理系のF1解説

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F1 チーム紹介

F1 メルセデスってどんなチーム? 2022版

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2014年以降、PU時代となったF1において圧倒的な強さを誇り、

シルバーアローとも呼ばれるメルセデスについて解説しようと思います。

基本情報

正式名称:メルセデス・AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム

本拠地:イギリス

PUサプライヤー:メルセデス

チーム代表:トト・ウルフ

ドライバー:ルイス・ハミルトン、ジョージ・ラッセル

ホンダ撤退とブラウンGP

現在のメルセデスは、2008年に撤退したホンダF1からの流れを汲んでいる。

2008年後半にリーマン・ショックに起因する世界的金融危機を背景に

ホンダはF1からの撤退を表明した。

その後、チームの売却先に難航し、最終的にはロス・ブラウンに

1ポンドという価格で売却、さらにホンダから新経営陣に向けて

100億円に達しない額の保証金を支払うこととなった。

2009年から新規チームとして、ブラウンGPというチーム名称でF1に参戦することとなった。

ウィンターテストを行えないまま迎えた合同テストでは、

新規チームでありながら、圧倒的な速さを披露し、その勢いのまま

開幕戦のオーストラリアGPにおいて、予選でフロントロー独占、

決勝で1−2フィニッシュを飾った。

2009年は、シーズン序盤に速さを見せつけ、逃げ切る形で

ジェンソン・バトンが自身初のワールドチャンピオン、

チームもコンストラクターチャンピオンを獲得するという

ダブルタイトルを獲得した。

チーム設立初年度でのダブルタイトル獲得はF1史上初の快挙であった。

なお、このマシンは2008年後半にホンダがF1からの撤退を表明するまで

ホンダが2009年用に開発していたマシンをベースに改造を施し、

メルセデスのエンジンを載せたマシンであるといわれており、

撤退せず、参戦を続けていればと惜しむ声も少なくなかった。

メルセデス設立

メルセデスはエンジンサプライヤーとしてF1に参戦していたが、

チャンピオンチームであるブラウンGPを買収し、

2010年からメルセデスGPという名称で、

メルセデスのワークスチームとしてF1に参戦することとなった。

2010年から表彰台に届かないシーズンを送るなど、

チームは不振にあえぐこととなったが、

2013年にルイス・ハミルトンを引き入れ、フェラーリとの激しい

コンストラクターズランキング争いを制し、2位を獲得するまで復調した。

PU時代

PUの導入や、シャシー規則の変更など、レギュレーションが大幅に変更された

2014年シーズンでは、圧倒的な信頼性と速さを披露し、

ルイス・ハミルトンのドライバーズチャンピオンを含む

ダブルタイトルを獲得した。

また、この年からチームメイトであるハミルトンとニコ・ロズベルグの間で

激しいチャンピオン争いが勃発し、両者の関係は悪化していった。

2015年はハミルトンがチャンピオンとなったが、

2016年は熾烈なチャンピオン争いを制し、ロズベルグがチャンピオンを獲得。

ロズベルグは、その5日後に引退を表明した。

2017年からバルテリ・ボッタスを新たなドライバーとし、

2020年まで、ダブルタイトルを獲得し続け、まさに王者のチームであった。

2021年シーズンは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとの

ドライバーズタイトル獲得に向けた戦いに最終戦の最終ラップで逆転を許し、

敗北を喫しましたが、コンストラクターズでは8年連続となるタイトルを獲得した。

F1 用語解説 エンジンとパワーユニット

2022年シーズン

レギュレーションが大きく変更された2022年シーズンでは、

メルセデスはゼロポッドと呼ばれる、サイドポッドを極限まで小さくした

独自のシャシーレイアウトを採用し、話題となりました。

しかし、グラウンドエフェクトカー特有の問題である

ポーポシングに最も悩まされており、マシンの速さに欠け

フェラーリ、レッドブルから少し離された、3番手という位置付けとなっており、

コンストラクターズタイトル獲得が危うくなっています。

F1 用語解説 グラウンドエフェクトカー

F1 用語解説 ポーポシング

シルバーアローの由来

冒頭でも紹介した通り、メルセデスのマシンはシルバーアローと呼ばれることがあり、

その由来は1934年まで遡る。

ニュルブルクリンクで開催されたレースにおいてマシンの重量が規定の750kgをオーバーしてしまい、

その規定を通過するために、白の塗装を剥がし、銀色のマシンで戦い、

圧倒的な勝利をつかんだことに由来します。

2019年ドイツGPでは、メルセデスはモータースポーツ発祥125周年を記念した

特別カラーリングで参戦し、その際のカラーリングは、

マシンの前方が白であり、後方にかけて銀色となっており、

1934年のレースを彷彿とさせるカラーリングとなりました。

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