F1をテレビで観戦しているとよく耳にするアンダーカットやオーバーカット。
特にタイヤ交換の前後でよく聞きますよね。
これについて解説しようと思います。
タイヤのデグラデーション
アンダーカット、オーバーカットというのはピットイン戦略のことです。
現在のF1規則では、レース中の給油が禁止されているため、
ピットインの目的は、基本的にタイヤ交換のみということになります。
(フロントウイング交換等の緊急ピットインを除く)
F1で使用されるタイヤはレース中にデグラデーションが発生、つまり劣化します。
このデグラデーションによりラップタイムは遅くなるため、
ドライバーはピットインしタイヤ交換をする必要があります。
もちろんピットイン、タイヤ交換には20秒強のタイムロスが発生するため、
タイヤのデグラデーションによるタイムの落ちと天秤にかけて
タイヤ交換するかしないかの選択をすることになります。
現在のF1のルールでは、レース中1回のタイヤ交換義務
(正確には2種類以上のコンパウンド(柔らかさ)のタイヤを使用する義務)
があるので、各ドライバーはレース中必ずタイヤを交換することになります。
そしてこのピットインのタイミングを考える上で重要なのが
アンダーカット、オーバーカットという戦略です。
アンダーカットとは、ライバルより早めにピットインする戦略
アンダーカット、オーバーカットはライバルとのギャップが
1~2秒程度と僅差の場合に用いられる戦略です。
前を走るライバル車より先にピットインし、新しいタイヤを履くことで
ラップタイムを一気に向上させます。
ライバル車がこれに反応しピットインするのは早くても1周後であり、
この1周をライバル車より1~2秒速く走れば、
ライバル車がピットアウトする頃には自分が前に出られることになります。
これがアンダーカットです。
つまり、タイヤのデグラデーションが大きい、タイヤを温めやすい場合等に有効な戦略です。
現代のF1はコース上でのオーバーテイクが難しいことや、
タイヤのデグラデーションが意図的に大きくなるように設計されていること等から
アンダーカットという戦略はF1において非常に有効となります。
この逆がオーバーカットということになります。
前を走るライバル車がピットインした場合、後ろのマシンには
同時にピットインするか、遅らせるかの選択肢があります。
同時にピットインした場合、タイヤ交換作業のミスがなければ、コース上でのオーバーテイクが必要となります。
ピットインを遅らせ、その間ライバル車より速く走ることで前に出ることを目指す。
これがオーバーカットです。
つまり、タイヤのデグラデーションが小さい、タイヤを温めにくい場合等に有効な戦略です。
ピットアウト後にラップタイムが悪くなる原因については以下で解説しています。
また、その他のラップタイムが変化する要因については、
以下の記事で解説しておりますので、そちらをご覧ください
また、この他にもF1に関連した用語を解説しておりますので、
そちらもご覧ください。
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[…] F1 用語解説 アンダーカットとオーバーカット […]
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