近年、市販車に搭載される変速機は、CVTが主流になりつつありますが、
F1マシンに搭載されている変速機は、8速マニュアルトランスミッションです。
今回は、このギアボックスと、これにまつわる規則について解説しようと思います。
ギアボックスとは
F1のギアボックスは、8速マニュアルトランスミッションを採用しており、
ステアリングについたいわゆるパドルシフトでギアチェンジを行います。
このため、クラッチペダルは存在しません。
ギアボックスはマシン後方に位置し、リアの車軸につながっています。
このため、マシンをリアからぶつけてしまった場合、
PUだけでなくギアボックスにもダメージを与える危険性があり、
このギアボックスの交換には規則が存在します。
ギアボックス交換
ギアボックスには、PUのエレメントのように1シーズンにおける
パーツの基数制限はありませんが、
6レースイベントで連続して同じギアボックスを使用する義務があります。
6レースイベント以内に、ギアボックスを交換する場合は、
5グリッドダウンのペナルティが課されます。
ギアボックスを交換したレースイベント中に、さらにギアボックス交換を行った場合は、
さらに5グリッドダウンのペナルティが課されます。
ただし、決勝レース中のトラブル等でギアボックス交換が必要になった場合は、
次のレースイベントで、FIAの技術責任者の監視のもと、
ペナルティ無しで同じ仕様のギアボックスに交換出来ます。
ここでのレースイベントとは、FP3、予選、決勝レースを指します。