2019年より新たに導入されたファステストラップポイントについて解説しようと思います。
ファステストラップポイントとは
決勝レース中にファステストラップを記録したドライバーに
チャンピオンシップポイントの1ポイントが与えられ、
これをファステストラップポイントと呼びます。
ファステストラップポイント付与の条件
決勝レース中の全ドライバーの全ラップのうち、
最速タイムがファステストラップとなります。
ただし、トラックリミットを違反したラップタイムは対象外となります。
(2021年シーズン第3戦ポルトガルGPの最終ラップにて
フェルスタッペンがファステストラップポイントを狙いアタックを行い、
その1周前にボッタスが記録していたファステストラップを上回るタイムを記録したました。
しかしその後、そのラップでのトラックリミット違反でタイムが取り消され、
ボッタスがファステストラップポイントを獲得するというレースがありました。)
ファステストラップを記録したドライバーのレース結果が
10位以内であった場合にファステストラップポイントが付与されます。
この10位以内という規定は、ポイント圏外のドライバーが
ファステストラップポイントのために、
決勝レース中にアタックを繰り返すことを防止する意図があります。
ファステストラップポイントは1ポイントのみですが、
常にポイント圏外を走行することを余儀なくされているチームにとっては
10位に相当する1ポイントは貴重と言えます。
この規定がなければ決勝レースの順位を捨てて、
アタックを繰り返す下位チームが現れてもおかしくありません。
いくら下位チームと言えど、他のマシンが予選タイムより4~5秒遅いレースペースで
走行する中、ファステストラップを記録することは可能です。
ファステストラップポイントによる影響
ファステストラップポイント導入により、レース終盤の戦略の幅が広がりました。
決勝レース中の順位変動は主に、
マシンの間隔が狭くタイヤも温まりきっていないレース序盤
タイヤ交換を行うピットイン前後のレース中盤
となっており、レース終盤はトラブルやクラッシュ以外には
目立った順位変動がなくパレードと揶揄されることもありました。
ここにファステストラップポイントが加わったことにより
この1ポイントを狙っての上位勢での攻防が見られるようになり
レースの見どころが増えました。
ファステストラップポイントを巡る戦略については
以下の記事をご覧ください。
[…] F1 用語解説 ファステストラップ […]
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