理系のF1解説

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F1 GP振り返り

F1 2022 第6戦 スペインGP 振り返り

投稿日:2022年5月29日 更新日:

F1シーズンにおける第2の開幕戦と言われるヨーロッパラウンドの開幕戦、

第6戦スペインGP決勝は、気温、路面温度が非常に高いコンディションで始まった。

アップデートを投入したフェラーリのルクレールがポールポジション。

Q3でのアタックラップ中にDRSトラブルに見舞われたフェルスタッペンは2番グリッドから。

母国GPとなるサインツは3番グリッド、速さを取り戻しつつあるメルセデスは

ラッセルがペレスを喰った形で4番グリッドからのスタートとなった。

5番手にはペレス、6番手には上位勢で唯一のミディアムタイヤでハミルトンがついた。

1コーナーまでの距離が長くバトルが予想されるスタートでは、

ルクレールがホールショットを獲得。

3番手のサインツが遅れ、ラッセル、ペレスにポジションを譲ってしまう。

ハミルトンもサインツに仕掛けようとするも及ばず、

後方から迫ってきたハースのマグヌッセンと接触。

これにより、マグヌッセンはコースアウト、ハミルトンは左フロントタイヤがパンクし、

ピットインを余儀なくされ、新品のソフトへとタイヤを交換。

これで上位勢はルクレール、フェルスタッペン、ラッセル、ペレス、サインツという並びとなった。

ハミルトンは19番手まで沈み、「エンジンをセーブしよう(リタイヤしよう)。」と無線を放つも

レースを続行。

7周目、5番手を走るサインツが4コーナーで単独コースオフ。

大事には至らなかったものの11番手までポジションを失うこととなった。

9周目、2番手を走っていたフェルスタッペンも同様にコースオフ。

ラッセル、ペレスの後方4番手でコースに復帰した。

4コーナーでは追い風となる突風が吹いており、

これによりダウンフォースを失いスピンしたと考えられる。

ペレスはラッセルを仕留めきれず、後方のフェルスタッペンとポジションを入れ替えた。

フェルスタッペンもラッセルに仕掛けるが、トラブルによりDRSが不安定となり、

仕留めきれない状態が続いた。

14周目、ラッセルとフェルスタッペンが同タイミングでピットインし、ミディアムへと交換。

早めにラッセルを仕留め、ルクレールへの追撃体制を整えたいフェルスタッペンには

ストレスの貯まる展開となった。

18周目、ここまでソフトで引っ張っていたペレスがピットインし、ミディアムへと交換。

21周目、唯一ステイアウトしていたトップのルクレールがミディアムへと交換。

一方、フェルスタッペンはDRSトラブルにより、ストレートで速いメルセデスに苦しみ続け、

ルクレールには楽な展開となった。

23周目、ハミルトンがミディアムへと交換し、19番手へ後退。

24周目、DRSを作動させたフェルスタッペンが1コーナーで

ラッセルのインに飛び込むも、激しいバトルでラッセルが前をキープ。

26周目、ラッセルを抜きあぐね、バトルを重ねるフェルスタッペンにペレスが追いつき、

ペレスが「ラッセルを攻略するためにフェルスタッペンの前に出させろ。」と無線。

これに対し、レッドブル首脳陣がどのように対応するかに注目が集まった。

27周目、トップを快走していたルクレールが突如としてスローダウン。

そのままリタイヤとなり、ラッセルとフェルスタッペンのバトルはトップ争いと変化した。

29周目、フェルスタッペンがピットインしソフトタイヤへと交換。

ラッセルに対し、戦略の違いでフェルスタッペンが、コース上でペレスが仕掛ける形となった。

31周目、ペレスがラッセルをオーバーテイクし、トップへと浮上。

タイヤ交換を行ったフェルスタッペンは1周あたり3秒のペースでトップを猛追。

32周目、サインツがピットインしミディアムへと交換し7番手でコースへ復帰。

37周目、猛追するフェルスタッペンに追いつかれたラッセルがピットインしミディアムへと交換。

38周目、これに反応する形でペレスがピットインし、ラッセル同様ミディアムへと交換。

ラッセルと異なる戦略で戦うフェルスタッペンと、同じ戦略で戦うペレスという、

1対2の構図が見られた。

44周目、フェルスタッペンが3回目のピットストップを行い、ミディアムへと交換。

素早いタイヤ交換で、ラッセルの前に復帰し、オーバーカットを成功させた。

これにより、トップを走るのはペレス、2番手にフェルスタッペン、3番手にラッセルという上位勢となった。

46周目、巻き返しを狙うサインツがピットストップを行い、ソフトへ交換し7番手で復帰。

49周目、トップを走っていたチームメイトのペレスにフェルスタッペンが追い付き、

ペレスは不満げながらもポジションをスワップ。

これによりフェルスタッペンが首位に立つこととなった。

51周目、3番手を走行するラッセルがピットインし、ソフトへ交換。

ボッタスの後方の4番手へと後退したが、53周目にオーバーテイクし、ポジションを戻した。

54周目、このラッセルに対応する形で、ペレスがピットインしソフトへ交換。

57周目、角田がミック・シューマッハをオーバーテイクし、

ポイント圏内である10番手へ浮上。

60周目、5番手を走行していたハミルトンが手負いのサインツをオーバーテイク。

これにより、レッドブルの1-2、メルセデスの3-4という上位勢の顔ぶれとなった。

レースは膠着状態となり、このままチェッカーフラッグかと思われたが、

64周目にメルセデスの2台に、冷却系のトラブルにより、

「リフトアンドコーストをしないとレースをフィニッシュできない」という無線が飛んだ。

これによりハミルトンはペースを失い、サインツに再び前を譲ることとなった。

レース結果は、トップにフェルスタッペン、2番手にペレス、3番手にラッセル、

4番手に母国GPのサインツ、5番手にハミルトンとなった。

チャンピオンシップを争うルクレールがノーポイントに終わった中、

フェルスタッペンは25ポイントを獲得し、ドライバーズランキング首位に返り咲いた。

ペレスはファステストラップポイントを含む19ポイントを獲得し、

コンストラクターズランキングでもレッドブルが首位に立った。

角田は10位でフィニッシュし、貴重なポイントを獲得した。

F1 2022 第5戦 マイアミGP 振り返り

F1 2022 第7戦 モナコGP 振り返り

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