理系のF1解説

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F1 GP振り返り

F1 2022 第7戦 モナコGP 振り返り

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「ここはモナコ、モンテカルロ、絶対に抜けない」という実況で有名な

伝統ある市街地コースであるモナコGPは、雨によりスタートがディレイとなった。

ポールポジションを獲得したのは母国GPとなるフェラーリのルクレール。

2番手にはフェラーリのサインツが入り、ドライであれば、

優勝が簡単に手に入ったと思われるレースであり、

ルクレールにとって苦しい幕開けとなった。

3番手にはレッドブルのペレス、4番手にフェルスタッペンとなり、

レースでの巻き返しを図るレッドブル勢には希望の雨となった。

セーフティーカー先導によるフォーメーションラップが2周行われた後、

赤旗中断となり、天候の回復を待つこととなった。

雨が上がったことが確認された後、セーフティーカー先導による

ラップが2周行われ、ローリングスタートによりレースが開始された。

この間、ラティフィとストロールがクラッシュし、それぞれピットインした。

3周目、ガスリー、ストロール、ラティフィがピットインし、

ウェットからインターミディエイトへとタイヤを交換。

ウェットとインターミディエイトのどちらが速いタイヤなのか、注目が集まった。

6周目、トップを走るルクレールとインターミディエイトで走るガスリーが

ファステストを出し合う状況を見て、角田とベッテルがインターミディエイトへと交換。

フェラーリとレッドブルの4台はウェットタイヤのままステイアウトを続け、我慢比べとなった。

12周目、インターミディエイトを履くガスリーがアルファロメオの周冠宇をオーバーテイク。

13周目、ガスリーがリカルドもオーバーテイク。

インターミディエイトに履き替えるのか、ウェットのままステイアウトし、

直接ドライタイヤのハードに履き替えるのか、トラックポジションが最重要となるモナコで

非常に難しい選択を各ドライバーが迫られることとなった。

16周目、ハミルトンはピットインし、ウェットからインターミディエイトへ交換、

9番手へと後退した。

17周目、3番手を走行していたペレスがウェットからインターミディエイトへ交換、

5番手へと後退したが、翌周に4番手のノリスもインターミディエイトへ交換したことで

ポジションを一つ失うだけで済んだ。

サインツにもインターミディエイトへと交換するようピットインの指示が飛ぶが、

サインツがこれを否定し、ステイアウトを選択。

19周目、トップを走るルクレールと3番手のフェルスタッペンがピットイン。

インターミディエイトへ交換した。

これにより、ペレスがルクレールをアンダーカットする形となり、

上位勢はサインツ、ペレス、ルクレール、フェルスタッペンという並びとなった。

21周目、ハードタイヤへと交換した下位のペースを見て、

ステイアウトを選択していたサインツがピットインし、ハードタイヤへと交換。

さらに、ルクレールにもピットインを指示し、ハードタイヤへと交換。

フェラーリはルクレールに対し、ピットインとステイアウトの選択で混乱し、

サインツに続く形のダブルストップとなり、ルクレールはサインツの交換を待ったため、

タイムを失うこととなった。

これに母国GPの制覇を狙うルクレールは感情をあらわにした。

22周目、レッドブルのペレス、フェルスタッペンがハードタイヤへと交換。

こちらもダブルストップとなったが、フェルスタッペンまでスムーズに交換することに成功。

また、ハードタイヤの温まりの悪さを考え、オーバーカットを仕掛けた。

これにより、ペレスがサインツをオーバーカットし、トップへと浮上。

フェルスタッペンもルクレールの前に出ることとなった。

このピットアウト時にフェルスタッペンがラインをカットしたとして

審議対象となった。

しかし、後にオンラインであり、ラインをカットはしていないと

裁定が下り、ノーペナルティとなった。

26周目、ハースのミック・シューマッハがマシンが真っ二つになる程の大きなクラッシュ。

これにより、セーフティーカーが導入され、後に赤旗が振られ、レース中断となった。

この赤旗の間に、レッドブルの2台はミディアムタイヤに交換し、

ハードのフェラーリに対し、異なる戦略を取ることとなった。

また、中断が複数回生じたことにより、3時間ルールが適用された。

(F1の決勝レースは規定周回数を終えるか、

レース開始から3時間を経過した周で終了するというルールがある。)

レース再開となった33周目、トップを走行するペレスがタイヤを大きくロックアップさせた。

鳥が眼の前を横切ったことによるブレーキと見られたが、

このタイヤのダメージがレース終盤に影響しないか懸念された。

ハミルトンから7番手を死守したいアロンソは、

レース終了までミディアムタイヤを持たせるため、

意図的にペースを落として走行を続け、前のノリスとは大きな差がついた。

残り時間が17分程度となったところでアロンソがペースアップ。

チームメイトのオコンに5秒ペナルティが出たことを知ったため、

後ろを走るオコンに後続とのギャップを離させるよう、ペースアップしたものと思われる。

また、このアロンソのスロー走行によりノリスはフリーストップを得たため、

残り時間が15分程度となったタイミングでミディアムへと交換。

残り時間10分、ペレスのフロントタイヤにグレイニングが見られ、

トップ4台がそれぞれ1秒以内に迫る緊迫した展開が見られた。

しかし、「絶対に抜けない」このモナコで順位の変動は見られず、

ペレスが今季初優勝を遂げ、モナコウィナーとなった。

また、サインツは2年連続の2位を獲得、フェルスタッペンは直接のライバルとなる

ルクレールの前、3番手でフィニッシュ。

母国GPのルクレールはポールポジションからスタートしたにも関わらず、

4番手でフィニッシュすることとなり、「言葉が出ない。」と無線を放った。

レース序盤、インターミディエイトで光る走りを見せたガスリーは結局11番手、

角田はレースペースが悪く17番手、完走した中では再開となった。

これにより、ドライバーズランキングはフェルスタッペンが125ポイントでトップ、

2番手に116ポイントでルクレール、3番手に110ポイントでペレスとなった。

ペレスがフェルスタッペンにポイントで近づいたことにより、これまで良好な関係を続けてきた

レッドブルの2人が今後どのような関係になるのかにも注目したい。

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