空前のF1ブームが巻き起こるアメリカで、初開催となるマイアミGPは、
フェラーリがフロントローを独占、レッドブルが2列目という形でスタートを迎えた。
新設されたばかりのサーキットで、オフラインのグリップ不足が懸念されるため、
オーバーテイクが難しく、トラックポジション重視の戦略が見られると予想された。
また、スタートについても、レーシングラインの奇数列が有利となるのではないかと思われた。
注目のスタートは、奇数列の有利を活かしてフェルスタッペンがサインツをオーバーテイク。
6番手スタートのハミルトンは2つポジションを落とし、8位まで交代。
11番手スタートのアロンソは、4つポジションを上げ、7番手まで浮上するなど、
大きな順位変動が見られた。
レース序盤の7周目、周冠宇がマシントラブルでリタイヤを喫した。
8周目、フェルスタッペンにチームから「ルクレールのタイヤが厳しそうだ」との無線が入り、
9周目に、フェルスタッペンがルクレールを追い詰め、そのままオーバーテイク。トップを奪還した。
12周目、はじめに角田がピットインし、ハードタイヤへ交換。
レース終了までタイヤが持つのか、2ストップとなるのか注目が集まった。
20周目、サインツの1秒以内を走行し、攻め立てていたペレスがスローダウン。
ペレスは「パワーを失った。」との無線を発信するが、
チーム側は「問題ない。トウを失っただけだ。」と返す。
21周目、デフォルトが入ったのか、ペレスはスピードトラップで308キロをマークし、
ペースを取り戻す。しかし、これで7秒ほど失い、サインツとの勝負権を失う。
24周目、ルクレールが「タイヤが厳しく、運転が難しい。」との無線を出し、
上位勢では1番初めとなる25周目にピットイン。ミディアムタイヤからハードへと交換。
これに反応する形で、27周目にフェルスタッペンがピットインし、同様にハードへと交換。
28周目、サインツ、ペレスがピットイン。サインツは右フロントタイヤが入らず、
大きくロスし、サインツとペレスの差が一気に縮まった。
41周目、ガスリーがミスし、コースへと復帰。
その横をノリスがオーバーテイクしようとした際に、
ノリスとガスリーが接触し、ノリスのマシンは右リアタイヤが外れ、
そのままコース上でマシンを止めた。
このクラッシュにより、VSC、後にSCが出動し、レースが大きく動いた。
ここまで、スタートからハードタイヤで引っ張っていたラッセルが
ピットインし、ミディアムへと交換。大きなアドバンテージを得て、
チームメイトのハミルトンの後ろへと復帰した。
上位勢ではペレスのみがピットインし、ミディアムへと交換。
前を走るフェルスタッペンとルクレール、サインツはハードタイヤでステイアウトしたため、
レース再開後の順位変動が期待された。
46周目、ガスリーが先程の接触により右リアを破損したとして、リタイヤ。
また、SCがこの周で終わり、47周目にレースが再開された。
ミディアムを履くペレスがサインツを攻め立てるもオーバーテイクには至らず。
49周目、DRSが解禁され、上位勢の戦いがさらにヒートアップした。
50周目、ハミルトンとラッセルのチームメイトバトルが繰り広げられる中、
その前を走るボッタスがミスし、2つポジションを失う。
その後、ラッセルがハミルトンをオーバーテイクするも、
トラック外からのオーバーテイクが疑われたため、54周目に順位が入れ替わり、
その後にもう一度順位が入れ替わり、ラッセルが前となる。
52周目、1コーナーでペレスがレイトブレーキでサインツのインを刺すも、
ややオーバーシュートし、オーバーテイクには至らなかった。
54周目、ミックとベッテルが接触し、2台のマシンが大きく破損。
2台ともピットインを余儀なくされ、ベッテルはリタイヤ。
ミックはフロントウイングを交換し、レースへ復帰するも大きく交代し、
初ポイント獲得が遠のくこととなった。
57周目、大きな順位変動もなく、フェルスタッペンがそのままトップチェッカーを受けた。
2番手にはルクレール、3番手にサインツ、4番手にペレスという上位勢の順位となった。
サインツにとっては2戦連続のリタイヤの後の嬉しい表彰台となった。
また、最後尾スタートのオコンがSCを味方につけ、8位入賞、
アルボンが10位に入賞し、ウィリアムズにさらなるポイントをもたらした。
アルファタウリの角田は、今シーズン初のQ3進出を果たすも、
レースペースが上がらず、後方での走行が目立つレースとなり、
12番手でフィニッシュし、入賞を逃した。
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