金曜PU(パワーユニット)とは文字通り、金曜日に用いられるPUのことを指します。
レースが開催される週末は、金曜日にFP1、FP2、土曜日にFP3、予選、
日曜日に決勝レースが行われ、この金曜日のFP1、FP2でのみ使用されるPUを指します。
今回は、なぜ金曜日は異なるPUを使うのか、どのようなPUを使うのかを解説しようと思います。
なぜ金曜日に決勝レースとは異なるPUを使うのか
金曜日のみ異なるPUを使う最大の理由は、PUのライフを温存するためです。
F1では年間を通して使用できるPUの基数に制限があり、
これを超過するとグリッド降格ペナルティが課せられます。
PUを構成する要素については以下の記事で解説しておりますので、
そちらをご覧ください。
PUは大まかに年間3基までの使用制限があるため、
シーズンの約3分の1となる7戦目あたりで、2基目のICEを投入します。
8戦目以降では、故障していない限り1基目のPUを金曜日に使用し、
土曜日、日曜日に2基目のPUを使用することで、
2基目のPUのライフを温存するということになります。
3基目を投入した際も同様に、2基目(もしくは1基目)を金曜PUとして
使用するということになります。
金曜PUの特徴
先述の通り、金曜PUは古いPUになるため、トラブルに見舞われることが多くなり、
また、出力も絞られていることが多くなります。
このため、金曜日のFP1、FP2のタイムはPUの出力の面からも
(もちろん主要な要因はトラックエボリューションですが)
土曜日や日曜日と比べて遅いタイムとなります。
土曜日PUはないのか
PUを温存するという点では、土曜日も古いPUを使用すればいいと考えられますが、
これはパルクフェルメ規定の点から不可能になります。
パルクフェルメについては以下の記事で解説しておりますので、
そちらをご覧ください。
パルクフェルメ規定とは、簡単に説明すると、
予選と決勝レースは同じマシンである必要があるということになります。
土曜日に行われるFP3から予選までの間にPUを交換することができれば、
FP3のみ古いPUを使用することは可能です。
しかし、FP3と予選の間が短いこと、チームの負担が増えることに加え、
決勝レース用PUの確認ができないことなどの理由から、
土曜日はFP3から決勝レース用のPUを使用することになります。