F1ではレース週末に用いるタイヤは、ソフト、ミディアム、ハードの3種類(ウェットタイヤを除く)があり、
このタイヤの種類のことをタイヤのコンパウンドと呼びます。
今回はこのタイヤのコンパウンドについて、解説しようと思います。
コンパウンドとは
ドライタイヤは、ソフト、ミディアム、ハードの3種類があり、
ソフトが一番グリップ力に長けますが、耐久性が劣ります。
反対に、ハードはグリップ力が劣りますが、耐久性に優れ、
ミディアムはその中間となっています。
これらのタイヤは、C1からC5までの5種類の中から3種類のタイヤが
それぞれのレースでのソフト、ミディアム、ハードタイヤのアロケーション(配分)となります。
このアロケーションは以下の3種類となっており、
ソフト:C5 ミディアム:C4 ハード:C3
ソフト:C4 ミディアム:C3 ハード:C2
ソフト:C3 ミディアム:C2 ハード:C1
一番上が、最も柔らかいアロケーション、一番下が、最も硬いアロケーションと呼ばれます。
このアロケーションは、タイヤの製造元であるピレリ社が、
各レースごとに決定し、それぞれのセット数は
ソフト:8セット ミディアム:3セット ハード:2セット
となっており、この合計13セットのタイヤで、
各チームはフリー走行から決勝レースまでこなす必要があります。
また、レインタイヤはインターミディエイトとウェットの2種類があり、
それぞれ2セットずつ支給されます。
タイヤの使用・返却義務
ソフト、ミディアム、ハード1セットずつの合計3セットには使用義務があります。
ソフトはQ3専用、残りのミディアム、ハードのどちらかを決勝レースで使用しなければなりません。
このソフトタイヤは、Q3終了後に返却する義務があります。
これは、予選においてQ3まで進出するチームは、Q1で敗退するチームに比べ、
多くのソフトタイヤを必要とするため、
フリー走行や決勝レースで使えるセット数の格差を減らす目的があります。
予選での戦略や見どころについては以下の記事で解説しておりますので、
そちらをご覧ください。
残りの10セットについては、
・FP1開始40分後に1セット
・FP1終了2時間以内に1セット
・FP2終了2時間以内に2セット
・FP3終了2時間以内に2セット
の返却義務があり、Q3タイヤと合わせた7セットを除く、
6セットのタイヤで予選、決勝レースを迎えます。
決勝レースでは2種類以上のコンパウンドの使用義務があるため、
少なくとも1回のタイヤ交換を行います。
タイヤ交換については以下の記事で解説しておりますので、
そちらをご覧ください。
また2019年までは残りの10セットについては、
ドライバーがそれぞれ事前に選択することが可能でしたが、
2020年から、新型コロナウイルス感染拡大の影響から
レース日程が変更されることを懸念して、
全レース共通のセット数というように規則が変更されています。